犯罪被害者は、長い間刑事司法手続で「証拠」の立場しか与えられず、支援のための制度・施策は不十分であった。2004年に「犯罪被害者等基本法」が制定され、ようやく被害者の問題に光が当たるようになった。その後、「犯罪被害者等基本計画」が策定され、5年ごとの見直しによって被害者支援は大きな進展を見せている。しかし、不十分なところが多々ある。
本書は、「犯罪被害者調査」の結果から、性被害、交通被害、身体的な被害にあった被害者たちの声をまとめている。その貴重な語りをもとに、被害の実態とその影響、必要な支援策、被害後の変化、そして被害者支援への具体的要望などを分かりやすく解説する。また、被害者の声を受けて、刑事司法機関、医療機関、民間支援機関、教育現場は、どのように被害者に対応しているかについて、支援者側の声を提示する。
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(2024年05月29日公開)