平湯真人は、裁判官として1991年まで務めた後、弁護士登録。東京弁護士会「子どもの人権と少年法に関する委員会」に所属し今日まで子どもの問題を中心に活動してきた。平湯真人が、「子どもの福祉分野に関する活動に突き動かしたものは何だったのか」を紐解きながら、子どもの福祉に関わる者が有すべき姿勢や信念とは何かを考える。
まず、第1章では、平湯真人のこれまでの活動を振り返り、読者自身の経験と結びつけて、子どもに関わる大人のあり方を考えてもらう。
次に、第2章では、千葉県の児童擁護施設「恩寵園」でおこった児童虐待事件について、当時入所児童として闘った方々と弁護団、支援者の座談会を収録。当時の子どもたちが大人をどう見ていたのか、生の声の中から子ども福祉について考えてもらう。
そして、第3章では、子ども福祉に関心を寄せる弁護士・研究者・児童擁護施設職員・民間支援者で構成される「施設内人権を考える会」の取組みから子どもたちの声をすくい上げようとする大人の姿勢を共有する。
最後に、第4章で、恩恵的養護観への逆戻りが懸念される今日の子ども福祉を取り巻く現状を踏まえた上で、我が国における子ども福祉の進んでいく方向を確認する。
第1章 子ども福祉弁護士へ |
(2020年03月02日公開)