『基本講義 刑事訴訟法』


 本書は初めて刑事訴訟法を学ぶ読者でもスムーズに諸概念と制度が理解できるよう、平易な叙述と図解・2色刷によって読みやすくコンパクトにまとめられた概説書である。
 
 著者 福島至教授は龍谷大学では法学部で教鞭をとられるほか、龍谷大学矯正保護センター長も務められ、現在センターにおいて元最高裁判事團藤重光氏の膨大な書籍や記録を所蔵する團藤文庫を編纂中である。さらに著者には刑事弁護人としての実績もあり、これまで100件以上の刑事事件を受任し、無罪判決獲得や準抗告や抗告申立てへの認容決定を得た経験を持つ。
 
 本書はこうした著者ならではの視点から、学説や判例の俯瞰にとどまらず、無辜の不処罰の理念をふまえた弁護士としての実務経験も反映した解説を特徴としている。最近の刑事事件手続を巡る問題点を捉え、刑事訴訟法の方向性を理解するための礎ともなる一書である。

*福島至教授は、3月で龍谷大学を定年退職する。その最終講義が2021年1月19日にあった。その模様がYouTubuで公開されている。

(2021年01月26日公開) 


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