刑務所に社会福祉士が配置され、各都道府県に地域生活定着支援センターが設置されるなど、司法と福祉の距離は徐々に縮まっているように見える。
しかし、本当にそうなのだろうか?
司法と福祉とは対等に接近しているといえるのだろうか?
刑事司法ソーシャルワークの最前線で参与観察を続ける著者が、現場で見聞きした最新の知見を取り入れながら論述。そこで提唱されるのは、従来の刑事司法的な「犯罪者処遇」の枠組みから、地域を基盤とする福祉的な「社会復帰支援」へのパラダイム転換である。
先行研究にはない新しい視点から、刑事司法と福祉の望ましい連携のあり方をさぐる意欲的なソーシャルワーク論。
(2020年08月19日公開)