現代の司法取引は、米国等で企業犯罪の摘発に大きな効果をあげている。司法取引が主要国で果たしている機能は、企業による捜査当局への犯罪の自主申告・捜査協力を促し、犯罪により生じた問題を是正することである。日本でもその機能が十分果たせるのか。
日本における司法取引第1号事件は、企業が検察に同社元役員の犯罪情報を提供し、その見返りに会社が起訴を免れる「捜査協力型司法取引」であった。これは、アメリカで1980年代から頻繁に行われている司法取引の例にならったものである。本書は、このアメリカ等における司法取引の実態とその実務を本格的に紹介し、日本型司法取引にかかわる実務と対策を検討するものである。
(2019年04月26日公開)