今日、難民流出国の周辺国はもちろんのこと、紛争地とは離れたヨーロッパなど先進諸国でも、大規模な難民をどのように処遇するかという問題に直面している。日本に目を向けると、入管施設等での長期にわたる恣意的かつ不当な収容や、難民を含む被収容者への非人道的な処遇が問題視されている。他方で自由及び権利の剥奪を防ぐため、各国で収容代替措置の試みがされており、事例研究やその効果についての報告が出されてきている。本特集では収容による人の管理の特徴、問題点とその限界を視野にいれつつ、改めて「収容」とは何か、そして「収容ではない難民受け入れ」のあり方に関する議論と取り組みについて検討する。
(2019年02月27日公開)