第13回目となる死刑映画週間が、２月10日（土）から同月16日（金）まで、東京・渋谷のユーロスペースで開催される。テーマは「喪失と悲しみ、そして赦すこと」である。今年も珠玉の作品が上映される。
その一つに、『袴田巖 夢の間の世の中』がある。再審開始決定で釈放された袴田巖さんと姉の秀子さんの日常生活を記録したものである。
○上映作品
A 『ある男』（2022年／日本／121分）
B 『私、オルガ・ヘプナロヴァー』（2016年／チェコ・ポーランド・スロバキア・フランス／105分）
C 『キエフ裁判』（2022年／オランダ・ウクライナ／106分）
D 『袴田巖 夢の間の世の中』（2016年／日本／119分）
E 『対峙』（2021年／アメリカ／111分）
F 『赦し』（2022年／日本／98分）
G 『青春を返せ』（1963年／日本／94分）
○作品内容
A 『ある男』
・監督＝石川慶 原作＝平野啓一郎 脚本＝向井康介
・出演＝妻夫木聡、安藤さくら、窪田正孝
【物語】里枝は谷口大祐と再婚し幸せに暮らしていた。だが大祐は事故で他界し、それがきっかけで彼が全くの別人だったことが判明する。弁護士・城戸章良は大祐の本当の正体を追うが、そこから明らかになる隠された事実とはいったい……。
B 『私、オルガ・ヘプナロヴァー』
・監督・脚本＝トマーシュ・ヴァインレプ ペトル・カズダ 原作＝ロマン・ツィーレク
・出演＝ミハリナ・オルシャニスカ、マリカ・ソポスカー
【物語】オルガは1973年にプラハのトラム停留所にトラックで突っ込み、８人を殺害した。２年後プラハのパンクラーツ刑務所で絞首刑となる。チェコスロバキアで死刑執行された最後の女性となったオルガ。その犯行までの軌跡が描かれる。
C 『キエフ裁判』
・監督・脚本＝セルゲイ・ロズニツァ
【物語】1946年１月17 日と18 日の二日間キエフ（キーウ）で開かれたナチス犯罪者を裁く裁判のドキュメンタリー作品。国立公文書館に保管した映像を編集したもの。死刑の宣告をされたナチス犯罪者はカリーニン広場に連れ出される、そして……。
D 『袴田巖 夢の間の世の中』
・監督=金聖雄 音楽＝谷川賢作 プロデューサー＝陣内直行 カメラマン＝池田俊己
【物語】「さて、私も冤罪ながら死刑囚。全身にしみわたって来る悲しみにたえつつ生きなければならない。そして死刑執行という未知のものに対するはてしない恐怖が（中略）たとえようもなく冷たくする時がある」（袴田巖）。冤罪死刑囚の袴田巖さんを描いたドキュメンタリー。
E 『対峙』
・監督・脚本＝フラン・クランツ
・出演＝リード・バーニー、アン・ダウト、ジェイソン・アイザックス、マーサ・プリンプトン
【物語】アメリカの高校で起こった銃殺事件の加害者と被害者の両親が、小さな教会の片すみで直接会う。「お元気ですか？」から始まる会話は、時限爆弾を抱えたようにすすんでいく。話し合いの末、最後に４人が流れ行く先にはなにが……。
F 『赦し』
・監督＝アンシュル・チョウハン 脚本＝ランド・コルター
・出演＝松浦りょう、尚玄、MEGUM、生津徹、真矢ミキ
【物語】７年前に愛娘をクラスメートに殺害された樋口のもとに、加害者・夏奈の再審開始の通知が届く。夏奈の釈放を阻止するために証言台に立つ樋口。法廷では夏奈の口から彼女が殺人に至った本当の動機が明かされていき、新たな展開に……。
G 『青春を返せ』
・監督＝井田深
・出演＝芦川いずみ、長門裕之、芦田伸介、田代みどり、高田由美、清水将夫、大滝秀治
【物語】殺人事件の罪で敦子の兄益夫が逮捕され、死刑の判決を受けた。敦子は兄の無実を信じ、その解決のために奔走する。一の瀬弁護士の協力のもと、最高裁に持ちこみついに差戻審となる。その結果、益夫の無罪は勝ち取ることができるのか。
○上映時間
・２月10日（土）……11：00『ある男』／13：30『私、オルガ・ヘプナロヴァー』／16：30『キエフ裁判』／19：00『袴田巖 夢の間の世の中』
・２月11日（日）……11：00『対峙』／13：30『赦し』／16：30『青春を返せ』／19：00『ある男』
・２月12日（月）……11：00『キエフ裁判』／13：30『袴田巖 夢の間の世の中』／16：30『対峙』／19：00『私、オルガ・ヘプナロヴァー』
・２月13日（火）……11：00『青春を返せ』／13：30『キエフ裁判』／16：00『赦し』／19：00『ある男』
・２月14日（水）……11：00『私、オルガ・ヘプナロヴァー』／13：30『赦し』／16：00『袴田巖 夢の間の世の中』／19：00『対峙』
・２月15日（木）……11：00『袴田巖 夢の間の世の中』／13：30『青春を返せ』／16：00『ある男』／19：00『キエフ裁判』
・２月16日（金）……11：00『赦し』／13：30『対峙』／16：00『私、オルガ・ヘプナロヴァー』／19：00『青春を返せ』
○トークイベント：
・２月10日（土）13：30『私、オルガ・ヘプナロヴァー』上映後
ゲスト／栗林佐知（小説家）
・２月11日（日）13：30『赦し』上映後
ゲスト／大谷恭子（弁護士）
・２月12日（月）13：30『袴田巖 夢の間の世の中』上映後
ゲスト／新田渉世（日本ボクシング協会理事）
・２月13日（火）19：00『ある男』上映後
ゲスト／井上淳一（映画監督）
・２月14日（水）19：00『対峙』上映後
ゲスト／片山徒有（被害者と司法を考える会代表）
・２月15日（木）19：00『キエフ裁判』上映後
ゲスト／池田嘉郎さん（ロシア近現代史研究者）
・２月16日（金）19：00『青春を返せ』上映後
ゲスト／太田昌国（評論家）
○入場料金：
一般1,500円／大学・専門学校生1,300円／会員・シニア1,100円／高校生800円（オンラインは900円）／中学生以下500円（オンラインは600円）
○前売券情報：
・前売り券 ５回券4,500円／３回券2,800円／１回券1,000円
劇場窓口で販売中。
・３日前より劇場窓口にて座席指定券と引き換えできる。オンラインでのご利用はできない。
○主催：死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90
○協力：株式会社彩プロ、クレプスキュール フィルム、松竹株式会社、株式会社トランスフォーマー、日活株式会社、Kimoon Film、サニーフィルム
（2024年01月19日公開)