ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)とイノセンス・プロジェクト・ジャパン(IPJ)は、11月10日(金)、人質司法を生みだしている刑事裁判制度の改正を求める声を国会議員に届けるために、参議院議員会館で「人質司法サバイバー国会」を開催する。
両団体は、今年6月、共同キャンペーン「ひとごとじゃないよ!人質司法」を立ち上げた。現在、日本の刑事司法の病理である「人質司法」をなくすために、さまざまな活動をしている。
刑事裁判には、無罪の推定という鉄則がある。刑事裁判で有罪判決が確定するまで被疑者・被告人を「犯人扱い」してはならず、一般市民と同じように扱うべきというルールである。
しかし、実際には「無罪の推定」が及んでいるはずの被疑者・被告人が無罪を主張したり黙秘したりすると、捜査機関は自白を引き出すために長期の身体拘束を利用する。裁判所も検察官の勾留請求を安易に認めたり、弁護人の保釈請求を却下して、人質司法に加担している。さらに家族や知人との面会が一切禁じられてしまう「接見禁止」制度が、被疑者・被告人をさらに苦しめている。
罪を認めなければ長期間にわたって身体拘束されるという日本の刑事司法の実務運用は被疑者・被告人の身体を人質にして有罪判決を獲得しようとするものだとして「人質司法」と呼ばれ、国際的にも強く批判されている。しかし、日本政府は、こうした批判を無視し続けている。
◯テーマ:人質司法サバイバー国会
○日時:2023年11月10日(金)12:00〜13:30(11:30以降入館可能、11:50開場)
○場所:参議院議員会館1階 参議院会館講堂
〒100-0014 東京都千代田区永田町2丁目1−1
○申込み方法:(無料・事前申込み制)
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○プログラム:
1. ひとごとじゃないよ!人質司法プロジェクトから問題提起と提案
2. 基調スピーチ………村木厚子、山岸忍
3. 国会議員、人質司法サバイバー当事者や関係者による討論とスピーチ
【登壇予定者】村木厚子(郵政不正事件)、山岸忍(プレサンス・コーポレーション事件)、大川原正明・島田順司(大川原化工機事件)、藤井浩人(美濃加茂市長事件)ほか
○共同プロジェクト特設サイト:https://innocenceprojectjapan.org/hostage-justice
○主催:ひとごとじゃないよ!人質司法 by ヒューマン・ライツ・ウォッチ×イノセンス・プロジェクト・ジャパン
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(2023年11月03日公開)