3月3日(金)、シンポジウム「それでもえん罪はなくならない―連続無罪判決後、『揺さぶられっ子症候群(SBS)』問題は終わったか?―」が、SBS検証プロジェクト、イノセンス・プロジェクト・ジャパンなどの主催で、大阪で開催される。
赤ちゃんを揺さぶって虐待したというSBS/AHTの事案は、本当に多発しているのか、その背景にあるSBS/AHT仮説に科学的なエビデンスはあるのか。このような問題意識からSBS検証プロジェクトが立ち上げられ、SBS/AHT事件の本格的な検証が開始されてから5年が経過している。この間、SBS/AHTをめぐる議論は進展し、とくに、裁判ではSBS/AHT仮説が科学的に正しいかどうか検証され、事実認定における危うさが指摘されている。SBS/AHTのえん罪事件について、2018年以降に9事件で無罪判決が確定している。
それでは、SBS/AHT問題は解決したのでしょうか。確かに最近では、SBSの「三徴候」(三つの症状)のみに基づいて起訴される事案は減っている。しかし、伝統的なSBS/AHT仮説に依拠する厚労省「子ども虐待対応の手引き」はいまだに改訂されていない。また、個々の事件では別の「徴候」に基づく虐待診断・判断が行われ続けている。その一つが、虐待えん罪・今西貴大さんの事件である。
本シンポジウムでは、SBS/AHTをめぐる議論のこの5年の展開を振り返るとともに、今西貴大さんの事件を通して現在の議論の問題点を考える。
○テーマ:シンポジウム「それでもえん罪はなくならない―連続無罪判決後、『揺さぶられっ子症候群(SBS)』問題は終わったか?―」
○日時:2023年3月3日(金)18:00〜20:00
○会場:対面とZOOM併用でのハイブリッド開催開催:
会場/AP大阪駅前(JR大阪駅より徒歩2分)
○参加費:無料
○申込み方法:事前申し込みが必要。3月2日まで。
・対面 → https://bit.ly/3QVmbq9(先着50名)
・オンライン → https://bit.ly/3HlbSsw
○プログラム
1 はじめに………川上博之(弁護士)
2 今西貴大さんの事件の現状………
弁護団:秋田真志、川﨑拓也、西川満喜、湯浅彩香、川﨑英明(弁護士)
聞き手:IPJ学⽣ボランティア
3 今西貴大さんと家族からのメッセージ
4 家族会の活動の軌跡………菅家英昭(SBS/AHTを考える家族の会代表、今西貴大さんを支援する会代表)
5 SBS検証プロジェクト5年間の歩み………古川原明子(龍谷大学)
6 海外からのメッセージ………ウェイニー・スクワイア医師(脳神経病理医)
7 おわりに………笹倉香奈(甲南⼤学)
○共催:SBS検証プロジェクト、イノセンス・プロジェクト・ジャパン、SBS/AHTを考える家族の会、今西貴大さんを支援する会
○協力:今西貴大事件弁護団、龍谷大学学犯罪学研究センター・科学鑑定ユニット、IPJ学生ボランティア(京都女子大学、甲南大学、獨協大学、立命館⼤学、龍谷⼤学)、KONANプレミアプロジェクト「冤罪事件の研究を通じた法教育の実践プロジェクト」
(2023年02月17日公開)