共通番号いらないネットは、12月18日、 個人情報保護条例に関する市民集会を開催


 現在、法務省の「刑事手続における情報通信技術の活用に関する検討会」(小木曽稜・中央大学教授)において、刑事裁判のデジタル化に関する検討が急ピッチで進んでいる。同検討会は、刑事手続において情報通信技術活用の方策とその法的課題を検討するものである。令状の請求・発付・執行、電子データの証拠収集とその閲覧・謄写・交付、取調べ、接見、公判審理など刑事手続全般にわたるIT導入の可能性を検討項目としてあげる。

 警察は現在、携帯電話の位置情報、DNA型情報、顔認証などによる捜査を行っている。11月に行われた近畿弁護士会連合会のシンポで指摘されたように、警察は、こうした情報を捜査関係事項照会(刑事訴訟法197条2項 )で任意に収集・保管を行っているため、個人のプライバシー権を侵害するおそれがある。しかし、これを規制する法律は、現在日本にはない。捜査のIT化の推進と同時に、個人情報保護を徹底する必要がある。

 捜査情報ばかりでなく、行政一般における個人情報保護に関しては、デジタル社会形成整備法が2021年5月に公布されている。これに基づいて国は、自治体が定める個人情報保護条例を国の基準に統一し、その保護を緩めることを、公布の日から2年以内に実施しようとしている。この問題で、共通番号いらないネットは、市民集会を12月18日(土)に開く。

 集会では、日弁連が発表した 「地方自治と個人情報保護の観点から個人情報保護条例の画一化に反対する意見書」の作成に関わり、また自治体の個人情報保護審議会委員などを務める森田明弁護士から、報告を受けて、今後の対応の仕方を討論する。集会は、オンラインとリアル会場で行い、どちらでも、誰でも参加・視聴できる(事前申込み不要)。

○テーマ:市民集会「個人情報保護条例がなくなる?——自治体からの抵抗は可能か——」

○日時:2021年12月18日(土)14時〜16時30分

○会場:文京シビックセンター4階 シルバーホール(東京都文京区春日1-16-21)
 オンライン(ライブ配信)もするので、オンラインとリアル会場のどちらもでも参加・視聴できる。視聴用 URLなど詳しくは、こちらから。

○プログラム:
・13時45分 開場・14時00分 開始
 森田明「改正法による条例画一化の問題点と地方自治体の対応」
 地方議員からの発言、質疑・討論
・16時30分 終了

○会場費・参加費・資料代など:500円

○主催:共通番号いらないネット

○連絡先・問合せ:電話 080-5052-0270(担当・宮崎) 

(2021年12月13日公開)


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