デビュー作『法廷遊戯』(講談社、5刷)で第62回メフィスト賞を受賞した弁護士作家・五十嵐律人氏が、超弩級第2作『不可逆少年』(講談社、2刷)を2021年1月25日に刊行し、即重版と話題になっている。
本書は、狐の面を被った13歳の少女が、3人の成人男性を刺殺、撲殺、絞殺という方法で殺害。さらに、1人の女子高生に重症を負わせたところから始まる。その女子高生は、13歳の少女の姉であり、まるで死をもたらすのを楽しんでいるかのようであった……。
この犯行の様子は動画投稿サイトを通じて拡散され、少年事件であるにもかかわらず加害者や被害者の情報が瞬く間に広がる。
若き家庭裁判所調査官・瀬良真昼(せら・まひる)は、少年法を逆手にとったこの衝撃的な事件と向き合うこととなる……。
本書については、全国の書店員から続々と声が届いている。本年末のミステリランキングでも、ランクインが期待できるかもしれない。
「期待を超えるおもしろさ! 今作はエンターテインメントとしてのおもしろさだけではなく、色々と考えさせられる部分もあり、大人として少年たちとどう向き合い、どう守っていくか、ということを考えました」(ブックスタジオ大阪店・渋谷宙希さん)
「あまりに衝撃的な幕開けにどんどん話に吸い込まれていって、ページをめくる手が止まらなかった。人間の心の危うさ、脆さ、運命の非情さにほんの少し明るい道がつながっていることを願う。ミステリーとしても圧巻でした。心に深く刺さり、刻まれました」(ジュンク堂書店滋賀草津店・山中真理さん)
法律に関する知識や考察とエンターテインメント性とのバランスが絶妙。読む者を惹きつけて止まないストーリーは、現役の弁護士だからこそ。圧巻の青春リーガルミステリーである。
なぜ、少女は狐の面を被っていたのか?
タイトルの「不可逆」が意味するところは?
真相と同時に、少年少女の「想い」が明かされ、切ない衝撃が胸を打つ。
■著者プロフィール
五十嵐律人(いがらし・りつと)
1990年岩手県生まれ。東北大学法学部卒業。弁護士(ベリーベスト法律事務所、第一東京弁護士会)。『法廷遊戯』で第62回メフィスト賞を受賞し、デビュー。「このミステリが読みたい!」2021年版(早川書房)国内篇3位&新人賞受賞をはじめ、ミステリランキングを席捲した注目の新人。次作(3作目)『原因において自由な物語』を7月に刊行する予定。
(2021年03月09日公開)