[2025年]あけまして おめでとう ございます。


 日本の刑事訴訟法研究をリードしてきた平野龍一教授が「現行刑事訴訟の診断」を発表したのが、1985年。それから、今年で40年目です。

 当時の刑事手続について自白中心、調書裁判などに触れて、「かなり絶望的」と診断を下しております。診断ができれば、治療することになるのは当然です。

 被疑者国選弁護制度の実現、裁判員裁判の導入、取調べの可視化など治療が進んだ部分はあります。しかし、人質司法などいまだ治療がすんでいないところが多数あります。

 また、袴田事件に関する昨年末に出た最高検と静岡県警の検証報告書を読む限り、治療どころか、病巣が悪化したのではないかと思わざるを得ないのは、私ひとりだけでしょうか。

 今年は、冤罪者を早期に救済するための再審法改正と、冤罪を起こさないために誤判原因を究明する第三者委員会の立ち上げが、急務の課題になることは間違いありません。

 刑事弁護オアシスとしては、さらに、これら制度改革に関する情報提供に尽力する所存です。

2025年元旦
刑事弁護オアシス
成澤壽信

(2025年01月01日公開)


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