国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ(Human Rights Now〔HRN〕)は、7月17日、「刑法性犯罪規定改正から1年──性的同意が尊重される社会に向けて」をオンラインで開催する。
2023年7月13日に性犯罪の規定を見直す改正刑法が施行されてから1年が経つ。HRNは、同改正で罪名が「不同意性交等罪」(刑法177条)となり、「同意しない意思」が構成要件の中心となったことや、いわゆる「性交同意年齢」が16 歳未満に引き上げられたことなど、大きな進歩があったとみている。また、これまで多くの被害者が陥れられ、かつ司法救済を閉ざしてきた加害のパターン8類型(刑法176条)が、不同意性交等罪の事由として掲げられ、性被害の実態に即した法律に一歩近づいたとの認識を示している。
しかし、不同意性交等罪の「困難」という要件が裁判官の解釈に委ねられている点や、13歳以上16歳未満の者の性交同意年齢については、犯罪成立に5歳差の年齢差要件が設けられている点、時効の短さ、地位関係性を利用する性犯罪類型の新設が見送られたことなど、課題は残るとしている。
また、法律が変わった今、性的同意が当たり前のこととされ尊重される社会へとシフトされているのか、「不同意性交等罪」の内容や性的同意に関する認識は、世間一般的にどれだけ浸透しているのか──。HRNは、こうしたことも憂慮している。
以上の問題意識を踏まえて、今回のウェビナーでは、性的同意に関する教育・啓発のための取組みや制度に焦点を当て、教育現場や自治体の様々な取組みや課題について紹介する。また、被害者に寄り添った刑法の実現に向けて活動されている方々によるリレートークも予定している。
◯テーマ:ウェビナー「刑法性犯罪規定改正から1年──性的同意が尊重される社会に向けて」
◯日時:2024年7月17日(水)19:00~21:00
◯開催方法:Zoomによるオンライン開催
◯参加費:無料
◯申込方法:こちらから申込む。
◯申込締切:2024年7月17日(水)18:00
◯プログラム(予定):
1 開会の挨拶………後藤弘子(HRN副理事長)
2 イギリスの大学の性的同意に関するトレーニング・モジュールの紹介………影澤桃子(HRN女性の権利プロジェクトインターン)
3 日本の大学における性的同意に関する教育………三浦まり(上智大学法学部教授)
4 福岡県性暴力根絶条例に基づく教育活動の紹介………世良洋子(弁護士)
5 リレートーク(ゲスト複数名)
6 閉会の挨拶………伊藤和子(HRN副理事長/弁護士)
*司会………中山純子(HRN女性の権利プロジェクトメンバー/弁護士)
◯主催:国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ
(2024年07月10日公開)