7月13日、「免田事件番組上映会」を熊本大学文書館が開催


 熊本大学文書館では、同学の歴史に関する資料に加え、社会的にも関心が高い免田事件に関する資料の収集・保存・公開を行っている。免田事件再審無罪判決40周年を機に昨年度開催した第1回上映会に続き、同館主催にて、RKK熊本放送制作・著作番組「嘘~33年目の証言~」(1981年6月29日放送、56分)の上映会を開催する。同番組は、免田事件再審の審理が継続中に、事件当時の免田栄さんのアリバイを証言した女性をともなって、事件関係者に取材したものである。

 戦後の新しい刑事訴訟法下での重大事件第一号となった免田事件には、冤罪の原点と呼ぶべき要素が多くある。確定死刑囚が再審で無罪になった冤罪事件は免田事件を含め4件あり、現在再審公判が開かれている袴田事件が5件目になるか注目されている。

 この企画では番組を視聴し、時事解説を交えながら、冤罪と再審請求に関する現在の問題について議論する。

  なお、同館内限定で、熊本放送制作の以下の6作品の閲覧を行うことができる。詳細は文書館まで(関連記事:熊本放送・熊本日日新聞社と覚書締結)。

 ・「錆びた扉~開くか再審への道」(1972年6月1日放送)
 ・「嘘~33年目の証言~」(1981年6月29日放送)
 ・「免田事件~弁護団の逃走経路 実地検証」(1981年12月26日放送)
 ・「免田さんと語る」(1983年10月1日放送)
 ・「執念~生き抜いた死刑囚~」(1984年6月27日放送)
 ・「免田事件の再審無罪判決から25年」(2008年8月29日放送)

◯テーマ:免田事件番組上映会 第2回「嘘~33年目の証言~」

◯日時:2024年7月13日(土)13:00~15:30(12:30開場・受付開始)

◯会場:熊本大学黒髪北地区くすの木会館レセプションルーム
※ 大学構内の駐車場は有料。できるだけ公共交通機関のご利用をお願いしている。

◯対象:一般の方、学生、教職員等 ※興味がある方はどなたでも

◯観覧料:無料、予約不要

◯プログラム
 13:00 開会あいさつ………宮崎誓(文書館長)
 13:05 趣旨説明………牧口敏孝(文書館市民研究員)
 13:10 「嘘~33年目の証言~」(1981年6月29日放送)上映
 14:20 番組解説………牧口敏孝
 14:25 時事解説 「冤罪と報道:免田事件と袴田事件を例として」………高峰武(文書館市民研究員)
 14:35 時事解説「最近の刑事再審をめぐる状況」………岡田行雄(熊本大学大学院人文社会科学研究部教授・文書館併任教員)
 14:50 質疑応答
 15:30 閉会

◯チラシはこちら

◯主催:熊本大学文書館

◯協力:RKK熊本放送

◯問い合わせ先:archives@jimu.kumamoto-u.ac.jp


*免田栄さんの獄中から家族・友人、支援者にあてた手紙、捜査・裁判資料、報道記事などを収録した免田事件資料集保存委員会(高峰武・甲斐壮一・牧口敏孝)編『検証・免田事件[資料集]』(現代人文社、2022年)がある。

(2024年06月27日公開)


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