日本には死刑制度が存続している。その執行方法は絞首刑である。また、再審は、ラクダを針の穴に通すのと同じくらい難しい。
日本は立法、行政、司法の権力の均衡を図る三権分立の政治体制をとっている。しかし、裁判所が再審請求の裁判をしている最中であっても、法務大臣が死刑の執行を命令して、再審請求の裁判を止めてしまう。
袴田巖さん(87歳)の雪冤の再審裁判が静岡地方裁判所で始まった。しかし、検察官は、再審の裁判を引き延ばそうとしている。
大崎事件では、10年の拘禁刑の有罪判決を受けた原口アヤ子さん(96歳)は、出所後に再審請求の活動を始め、3度の再審開始決定があったが、ことごとく上級審で覆され、現在、4回目の再審請求が最高裁判所に係属している。
このような時代状況の中、大阪には、死刑囚等による3つの訴訟が継続している。再審請求中の執行、死刑の当日告知・即時執行、そして絞首刑の残虐性を争う3つの行政訴訟・賠償請求訴訟である。
日本の死刑と再審の改革を求める研究者と弁護士のチームは、2023年9月4日、欧州の中心であるベルリンから、生命と権利を保障する努力をしている世界の人たちに、日本政府の人権侵害をアピールし、改革への協力を呼びかけるために「ワークショップ&プレスリリース」を開催する。
○テーマ:ワークショップ&リリース「日本の死刑と再審」〜日本政府はまだ死刑を存置し、生命権と人権を侵害し続けるのか?〜
○日時:2023年9月4日(月)20:00 ~24:00(日本時間)
○場所:ベルリン・フンボルト大学213号教室、旧王宮ウンター・デン・リンデン9 (Raum 213, Humboldt Universität zu Berlin, Altes Palais – Unter den Linden 9 )
※ドイツ会場よりLIVE配信予定(日本語逐次通訳付き)
○申込みはこちらから
○プログラム(予定) 日本時間
20:00 開会:企画の趣旨説明“日本の死刑と再審”………石塚伸一
20:20 第1部 司会:ヘニング・ローゼナウ(逐次通訳)
【第1報告】袴田巌事件について〜47年の拘禁の末に始まった再審裁判〜
【第2報告】再審法案の起草について〜日本には、再審に関する法律がない〜
【第3報告】死刑囚人権訴訟〜大阪で死刑囚の権利を争う裁判が始まった〜
=休憩=(21:20〜21:50)
21:50 第2部 司会:ヘニング・ローゼナウ/石塚伸一(逐次通訳)
【第4報告】日本の再審〜研究者の目からみた〜
コメント1……日本の死刑(10分)
コメント2……日本の死刑(10分)
コメント3……ドイツからのコメント(10分)
22:50〜23:50 ディスカッション(60分)(逐次通訳)
23:50 まとめと閉会の辞(10分)
○主催:一般社団法人 刑事司法未来
○共催:龍谷大学 刑事司法・誤判救済研究センター、ベルリン・フンボルト大学ルイス・グレコ研究室(Prof.Dr.Luis Greco, LL.M.)
○協力:マルティン・ルター大学ハレ・ヴィッテンベルク ヘニング・ローゼナウ研究室(Prof. Dr. Henning Rosenau)
○後援:龍谷大学 犯罪学研究センター、株式会社TKC、特定非営利活動法人CrimeInfoほか
(2023年08月29日公開)