関西テレビで、7月7日(金)、「検証:揺さぶられっ子症候群」を放送


 関西テレビで、7月7日(金)の深夜(25時25分から)「引き裂かれる家族 検証:揺さぶられっ子症候群」が放送される。

 「SBS検証プロジェクト」のメンバーが関わった2つのSBSえん罪事件が取り上げられる。残念ながら関西以外では放映されない。

 今回取り上げられる事件は2つ。1つは、写真家の赤阪友昭さんの裁判。赤阪さんが大阪市内の自宅で当時生後2か月の長男をあやしていた時、長男が急変し喉に何かが詰まった様子に。助けようと長男の背中を叩いたが、容態は改善せず、119番通報。病院で、長男には硬膜下血腫や眼底出血が見つかった。 病院の通報により、赤阪さんが長男を暴力的に激しく揺さぶったとSBS(Shaken Baby Syndrome、揺さぶられっ子症候群)を疑われ、傷害容疑で逮捕・起訴される。刑事裁判は長期化し、その間、児童相談所は父親と長男の同居を制限し続け、赤阪さんは、4年以上も家族離ればなれの生活を余儀なくされた。

 もう一つは赤阪さんと同じくSBSを疑われ、愛する子どもと長期にわたって引き離された菅家(かんけ)さん夫妻。当時生後7か月の長男が自宅でつかまり立ちから転倒して、急変。救急搬送されたが、硬膜下血腫や眼底出血が見つかる。病院は「家庭内での転倒では起こらない」症状だとして、児童相談所に通報。その後、長男は一時保護され、自宅に戻ってきたのは 1年4か月後のことだった。

 本作は、「ふたつの正義」「裁かれる正義」に続くSBSえん罪三部作の3作目である。この番組のディレクターの一人、上田大輔さんは法曹資格を持っていて、5年前からずっとSBSえん罪の問題を精力的に追っている。

 今年4月に刊行された、秋田真志・古川原明子・笹倉香奈編著『赤ちゃんの虐待えん罪』(現代人文社)にも、SBSえん罪の原因や裁判事例が詳しく報告されている。

(2023年07月03日公開)


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