10月10日は、世界死刑廃止デーである。今年もさまざまなイベントが開催される。死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム’90とCrimeInfoなどによる3つのイベントを紹介する。
世界死刑廃止デーは、世界死刑廃止連盟(WCADP、本部=パリ)が、2003年に定めたもので、毎年、この日を中心に、世界各地で死刑廃止のためのイベントや死刑廃止国政府からメッセージの発信が行われる。今年のテーマは「死刑への道は、拷問に満ちている」(Death Penalty:A Road Paved With Torture)である。
■死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム’90/響かせあおう死刑廃止の声2022 死刑囚最期の声を聴く
現在、日本では、死刑の執行はその1、2時間前に告知される。当日告知された死刑囚が、異議申立てをする権利も行使できぬまま執行される。これに対して、いま大阪地方裁判所で裁判が行われている。
1955年当時、大阪拘置所所長だった玉井策郎さんは、所内で確定死刑囚として生活をしていた死刑囚に対する死刑執行までの3日間を秘密録音している。家族や死刑囚仲間、刑務官との別れを経て読経の声が高まるなか、足元の床が落ちる音が響き渡る。
このテープには、法の下に人間が人間を殺すまでの3日間が記録されている。
この録音の一部は、過去にも放送や出版物で公開されてきたが、フォーラム’90では、このテープを独自に編集し、聞き取りにくい部分は字幕で補い、当時の大阪拘置所とその処刑場の写真を配置し、執行までの3日間を再現した。
死刑囚最期の3日間の声を聴く。
○日時:2022年10月9日(日)13時〜16時30分(開場:12時)
○場所:星陵会館(〒100-0014 東京都千代田区永田町2-16-2)
地図はこちら
○プログラム:
・ビデオ作品「死刑執行までの3日間」
・告知当日死刑執行国賠弁護団からの報告
・確定死刑囚アンケート2022
・死刑廃止のための大道寺幸子・赤堀政夫基金:死刑囚の作品展と講評
・選考委員:小田原のどか/川村湊/北川フラム/栗原康/太田昌国
○当日券:1000円(今年は前売券はない)
○主催:死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム’90
■CrimeInfo/映画「望むのは死刑ですかII オウム“大執行”と私」のオンライン上映会
「望むのは死刑ですかII オウム“大執行”と私」は、CrimeInfoが提供しているドキュメンタリー映画「望むのは死刑ですか 考え悩む“世論”」(企画:佐藤舞、ポール・ベーコン。2016年公開)の続編にあたる。当日は、特別に長塚洋監督も挨拶する。
○日時:10月12日(水)20時~21時40分
○場所:Zoomによるオンライン開催
○参加費:無料(要事前申込)
○申込み方法:以下から。
https://www.crimeinfo.jp/notes/イベント/2022/09/17_14381/
○主催:特定非営利活動法人CrimeInfo
■無実の死刑囚・袴田巌さんを救う会/木谷明さん講演会「冤罪と死刑」
無実の死刑囚・袴田巌さんの再審請求は東京高裁で差戻し審が行われている。年内にも最終意見書が出される予定である。今回の公開学習会では、元裁判官の木谷明さんが「冤罪と死刑」について講演する。
○テーマ:無実の死刑囚・袴田巌さんを救う会公開学習会
○講師:「冤罪と死刑」……木谷明(弁護士・元裁判官)
○日時:10月18日(火)14時〜16時(開場13時30分)
○会場:成美教育文化会館グリーンホール
住所:東京都東久留米市8-14 電話:042-471-6600
西武池袋線・東久留米駅北口下車、所沢方面へ徒歩4分
○参加費:500円
○申込み方法:下記の電話、メール、FAXまでに、名前と電話番号を連絡。
・定員100名(会場定員の1/3)
・電話:080-3494-6126(大竹〔10時〜20時〕)
・Eメール:hakamada-sukukai@h2.dion.ne.jp(松田)
・FAX:042-394-4127(門間)
*参加者は、マスクの着用。当日熱があったり体調の悪い方は、参加をご遠慮ください。キャンセルの場合は前日までに連絡。
○主催:無実の死刑囚・袴田巌さんを救う会
東京都東村山市久米川町1-50-1-4-401 門間方
○共催:日本カトリック正義と平和協議会「死刑廃止を求める部会」
○問合せ先(電話):080-5406-4127(もんまさちえ)
090-7717-0961(もんままさき)
(2022年09月30日公開)