9月19日、東京で、名張毒ぶどう酒事件のドキュメンタリー映画の監督である齊藤潤一さんと名張、袴田両事件弁護団を招いて、いまだ再審が認められていない両事件を中心に、裁判のあり方を考える集会が開かれる。
袴田事件では、静岡地裁の再審開始決定で袴田巌さんが48年ぶりに死刑台から生還したのが2014年である。その後、東京高裁で再審決定を取り消されたが、最高裁で再び高裁に差し戻しとなり、現在、高裁で審理が進んでいる。
この再審差戻し審で、死刑判決が袴田さんの犯行着衣と認定した「5点の衣類」に付着していた血痕の色合いが争点になっているが、法医学者らの証人尋問がさる7月22日、8月1日、5日に行われた。今後、高裁は、弁護団が補充証拠を出さなければ、12月中に弁護団、検察双方の最終意見書の提出期限を設ける方向である。弁護団、検察ともにこれを受け入れた場合、再審を始めるかどうかの高裁決定は今年度中にも出されるとみられる(詳しくは「『袴田事件』1年以上味噌に漬かった血痕に赤みが残るか、証人尋問で専門家の見解は分かれる/袴田さんの弁護団は立証に自信」参照)。
名張毒ぶどう酒事件の再審は粘り強く進んでいる。再審請求人の奥西勝さんは、事件から54年間無実を叫び続けてきたが、再審の扉が開かれることなく、2015年に獄中で亡くなった。その後、奥西さんの妹・岡美代子さんが兄の名誉を回復するために再審を請求している。その第10次再審請求が名古屋高裁で、今年3月3日に棄却されたことから、同月9日、最高裁に特別抗告をした。
○テーマ:我ら「冤罪なれど死刑囚」〜故奥西勝さん(名張毒ぶどう酒事件)と袴田巖さん(袴田事件)の命から人権問題を考える
○日 時:2022年9月19日(月・祝)13:30〜(開場13:00)
○会 場:文京区民センター3階&オンライン(YouTube)
〒113-0033 東京都文京区本郷4-5-14
都営地下鉄「春日駅」A2出口から徒歩約0分
東京メトロ「後楽園駅」6出口から徒歩約3分
地図→https://loco.yahoo.co.jp/place/g-PjfG6ox_w5-/map/
○プログラム:
・基調講演「記者が見た死刑囚の姿」………齊藤潤一(関西大学教授/元東海テレビプロデューサー)
・対談「こんな証拠で死刑に!? 2事件に共通する有罪判決の闇」………名張事件弁護団×袴田事件弁護団
コーディネーター:渡場大河(国民救援会神奈川県本部事務局長)
・その他、事件概要映像の上映、えん罪当事者のリレートークなどを予定。
○チラシはこちらから。
○主催:袴田巖さんの再審無罪を求める実行委員会、名張毒ぶどう酒事件の再審・無罪を勝ち取り、奥西勝さんの名誉を回復させる全国の会
○問合せ先:日本国民救援会
〒113-0034 東京都文京区湯島2-4-4 平和と労働センター5階
電話:03-5842-5842
※集会の模様は、Youtubeで生配信される。時間になったらクリックして視聴できる。
Youtube配信URL:https://bit.ly/2022enzai
(2022年09月12日公開)