今年で、第11回を迎える「死刑映画週間」は、2月12日(土)から18日(金)まで、ユーロスペース(東京・渋谷)で開催される。今回上映されるのは『免田栄 獄中の生』、『帝銀事件 大量殺人獄中三十二年の死刑囚』、『私は金正男を殺していない』など7作品である。その半数以上が「えん罪」をテーマとする。死刑とえん罪はそれほど深い関係にあり、その中から司法制度の問題が浮かび上がる。普段、上映されない作品ばかりである。この機会をお見逃しなく。
『免田栄 獄中の生』は、日本で初めて死刑再審で無罪となった免田事件を扱ったものである。獄中にいた免田さんは、支援者あてに1,000通もの手紙を出している。この映画は、免田さん自身の朗読と、それに対するインタビューで全編が構成されている。免田さんは、2020年12月亡くなった(享年98歳)。
現在、「免田事件資料保存委員会」(代表:高峰武)が、この1,000通の手紙など免田事件に関する資料を編集して今年3月出版を目指している。
○上映期間:2022年2月12日(土)~2月18日(金)
○場所:ユーロスペース(東京都渋谷区円山町1-5)
○上映作品(監督/制作年)……語る人:
『私は金正男を殺していない』(ライアン・ホワイト/2018年)……太田昌国(評論家)
『狼をさがして』(キム・ミレ/2020年)……浴田由紀子(『マコの宝物』著者)
『裁き』(チャイタニア・タームハネー/2014年)……佐藤大介(ジャーナリスト)
『帝銀事件 大量殺人獄中三十二年の死刑囚』(森崎東/1980年)……山際永三(映画監督)
『女は二度決断する』(ファティ・アキン/2017年)……山口薫(なんみんフォーラム理事)
『黒い司法』(デスティン・ダニエル・クレットン/2020年)……庄司香(学習院大学教授)
『免田栄 獄中の生』(小池征人/1993年)……櫻井昌司(布川事件・えん罪被害者)
※上映時間などの詳細はチラシをご覧ください(チラシはこちら)。
(2022年02月03日公開)