9月4日(土)午後1時30分から、「飯塚事件の再審を求める東京集会——第2次請求の支援を」が、オンラインで開催される。
1992年、福岡県飯塚市で小学1年の女児2人が登校途中に行方不明になり、山中で遺体となって発見された。1994年、警察は、久間三千年(くま・みちとし)さんを、遺体のそばに付着した血液から採取したDNA型(MCT118型DNA鑑定)が久間さんのものと一致したとして、逮捕・起訴した。
久間さんは捜査段階から一貫して無罪を主張していたが、一審の福岡地裁(確定審)は、MCT118型DNA鑑定やT目撃証言などの情況証拠に基づいて死刑判決を言い渡し、2006年に最高裁で確定。再審請求を準備していた、2008年10月28日に、無念にも死刑が執行された(当時70歳)。
2009年10月28日、久間さんの妻が新たなDNA型鑑定などを理由に第1次再審請求を福岡地裁に申し立てた。しかし、福岡地裁は、科警研が行ったMCT118型DNA鑑定は久間さんの犯人性を基礎づける事実・事情とすることができないことを認めたが、そのDNA型鑑定以外の情況証拠による確定判決は揺るがないとして、この請求を棄却した。
つづく即時抗告された福岡高裁も棄却し、2021年4月21日、最高裁第1小法廷(小池裕裁判長)は、弁護団の請求理由にまともにこたえず、特別抗告を棄却した(詳しくは、「『飯塚事件』死刑執行後の再審、最高裁も認めず/弁護団の主張に向き合わないまま」を参照)。
このため妻と再審弁護団は7月9日、新たな目撃証言などを理由に2度目となる再審請求を福岡地裁に申し立てた。この目撃証言は、確定審の有罪の根拠となったT目撃証言を否定するものである。
弁護団は、捜査段階の証拠、とくにT目撃証言の経過などに関する証拠がいまだ開示されていないので、証拠開示を積極的に求めていく。
また、確定第一審裁判所の主任裁判官であった柴田寿宏裁判官が、第1次再審の即時抗告審(福岡高裁)で合議に加わり、抗告審が打ち切られた。弁護団は、このことを第1次再審特別抗告審(最高裁)で、「公平な裁判所」による裁判を受ける権利を保障した憲法37条1項に違反すると主張したが、特別抗告審では、これを無視し、「実質は単なる法令違反の主張である」として憲法37条違反かどうかの判断を回避した。この点についてもさらに主張する。
この集会では、再審弁護団から、再審請求の経緯と内容の詳しい報告を受けて、同再審請求への支援を呼びかける。
○日 時:2021年9月4日(土) 午後1時30分〜午後4時
○場 所:オンライン(Zoom)による集会
○参加費:無料(事前登録が必要)
○プログラム:
・弁護団報告(徳田靖之・岩田務各弁護士)
第1次再審請求最高裁棄却決定と第1次再審請求の総括
第2次再審請求の経過と内容
・第2次再審の請求理由となる証人のメッセージ(木村氏)
・再審請求人のメッセージ(久間三千年さんの妻)
・連帯のアピールと布川事件国賠の報告(櫻井昌司)
*時間の都合で質疑応答はない。また、プログラムは報告者の都合で変更になる場合がある。
○申し込み方法:
・参加希望の方は、9月1日(水)までに、お名前(ふりがな)、Eメールアドレス、所属(あれば)、電話番号(緊急連絡用)を明記の上、以下のEメール宛てに申し込む。
飯塚事件東京集会事務局:samonnaru@gmail.com
・後日、事務局から、閲覧用URLがEメールにて送信される。送信は9月2日(木)を予定。
○呼びかけ人(五十音順):
大出良知(九州大学名誉教授)
片山徒有(被害者と司法を考える会)
木谷 明(再審法改正をめざす市民の会共同代表)
櫻井昌司(布川事件えん罪被害者)
笹倉香奈(甲南大学)
菅家利和(足利事件えん罪被害者)
端慶覧淳(再審えん罪事件全国連絡会)
豊崎七絵(九州大学教授)
中山武敏(弁護士・狭山事件再審弁護団主任弁護人)
西嶋勝彦(弁護士・袴田事件弁護団主任弁護人)
○主 催:飯塚事件の再審を求める東京集会実行委員会
○問合わせ先:同集会事務局・成澤 Eメール:naru@genjin.jp
(2021年08月20日公開)