6月12日(土)、NPO法人監獄人権センターは、監獄法改正から15年目の節目に、桜井昌司さんら2人の元受刑者を呼んで、日本の刑事施設(刑務所)の実態と今後のあり方を語り合うイベントを開催する。
桜井昌司(2011年に再審無罪判決)さんは、1978年に無期懲役の判決を受け、千葉刑務所で18年間服役した。冤罪で獄中生活を送る中、同じく重い罪で服役する受刑者たちの様子を施設外に伝えてきた。「日本の刑務所の問題は更生のための処遇が不足していること」だと、桜井さんは指摘している。
Sさんは、島根あさひ社会復帰促進センター(2008年開所)を昨年出所した。同センターは、教育プログラムや職業訓練を通じて先進的な処遇を行っている(詳しくは、元同センター所長・手塚文哉著『再犯防止をめざす刑務所の挑戦──美祢・島根あさひ社会復帰促進センター等の取組み』を参照)。Sさんは、「刑務所がどんなに素晴らしいプログラムを用意しても、大切なのは受刑者本人が自発的に“変わろうとする力”だ」と語る。
刑務官の“懲らしめ”で複数の受刑者が死傷した名古屋刑務所事件(2001~2002年)後、受刑者処遇を抜本的に変革することを目指した「行刑改革会議」が設置され(2003年)、現在の「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律」(2016年)が施行された。一連の改革で、日本の刑事施設は変わったのか。あるいはどのように変わろうとしているのか。 ふたりの元受刑者の対話を通して考える。
なお、同イベントでは、寄付金付きチケットを用意し、監獄人権センターの活動への支援を要請している。詳しくは、https://cpr20210612.peatix.com を参照ください。
○開催日:2021年6月12日(土) 午前10時~12時 YouTube LIVEによるオンライン開催
○ゲスト:桜井昌司さん(布川事件元被告人・無期懲役で1996年に千葉刑務所出所)
Sさん(2020年に島根あさひ社会復帰促進センター出所)
○コーディネーター:海渡雄一(弁護士・監獄人権センター代表)
○参加無料・申込不要でどなたでもご参加できる。
○参加URL:https://youtu.be/OE46zZD4MYI
○イベントに関するお問い合わせ:名前を明記のうえ、メールで監獄人権センター まで。
メール:info@prisonersrights.org
(2021年06月02日公開)