マニアックなファンも納得する『イチケイのカラス』
『イチケイのカラス』、めっちゃ面白かったです。
ありがとうございます。
今さら言うなっていう話ですけど、すごい綿密に取材されていて、こんなに正確な刑事裁判の漫画があるんだと思ってビックリしました。
櫻井(光政)先生が、「このケースだったら、こういう対処をする」と細かく教えてくださったので、監修の先生方のおかげっていうのはあります。
一人ひとりの登場人物が、「あっ、いるいる! こういう検察官っている!」って。残念なキャラ設定だけど「そういう人いる!」みたいなことが多かったです。
ダメな弁護士とか。
本当にそうですよ。代表して「なんかすみません」って謝りたくなるような……。
描いてる方としては、ダメな方が面白かったりするんですけどね。
そうかもしれませんね。あと、判決文がすごい小さな字で、全文載ってるのがすごく面白かったです。
あれを全部読んでくれる人っているのかなって疑問だったんですけど、あの判決文を全部読んでくださった方、結構いるんですよ。
マニアックな見方であるのは事実かもしれないですね。ただ、全部載ってるから伝わる部分はありますよね。全部入れるの、大変じゃなかったですか。なんで全部入れることにしたんですか。
監修の片田(真志)先生が、「このケースでは、判決文、こういうふうに書きます」というメールくださったんです。
そのメールを編集担当者も読んでいて、これは文量的にもそんなに長くないし、もしかしたら載せられるんじゃないか。そう思って、文字ばかりになるんですけど、思い切って見開きで全部載せようということになりました。
でも、やっぱり賛否はありますね。「これは漫画じゃない」みたいなことを聞きましたし。確かに、文字だけですから。
でも、プロの方たちには好評で、嬉しかったです。
私が見てすごいなと思って感動したので、弁護士じゃない友達にも、たくさん紹介しましたよ。
ありがとうございます。結構、留置場にいる人からはがきをもらったりして、留置場って「モーニング」読めるんだって、ビックリしました。
意外と、読めるんですよ。
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(2021年11月19日公開)