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依頼人とのコミュニケーションを円滑にするための刑事弁護必修用語集
捜査官に対して供述すること。【語源】もともとは「転(うつる、うたた、ころぶ)」の意味と思われる。とりわけ自分以外の関係者についてまで供述してしまう場合に批判的に使われる。捜査官の側からは「吐かせる」「割る」「うたわす」「落とす」という。「ポリの奴がえらい剣幕で、うたわな親分パクるって怒鳴りつけてきますねん」。関東ではなぜか「ゲロる」という。
裁判所で判決を宣告される意味で使われる。「先生、求刑は5年として、何年打たれますやろか」。「うーん、ニギリはないやろ」。
事件が解決したとき、「帳場」で乾杯し、二次会へ向かう。大阪府警は、「府警節」という応援歌をうたう。「ここは摂津のナニワの都、ナニワになびたる大阪府警……」。大事件を解決したら肩を組み、府警節をうたい、涙を流すこともある。
供述者が真実を語っているか確かめる。「心配するな。裏取ったる」と言って共犯者を仲間割れさせる。
職質で頑強な相手の場合、警察官が「応援を呼べ!」と叫ぶ。
自白する。完全に供述するのを「完落ち」、中途半端なのを「半落ち」という。自白させるのがうまい刑事は「落としの名人」といわれる。「健康状態はどうや。風邪ひいてないか」と手練手管の刑事は必ずこうした優しさを見せる。
迷宮入り。
本件の取調べが終わっているのに、「他人の犯罪」を喋らせようとする。これをして「オミヤゲ」と称する。「なんかオミヤゲ置いていかんかい。ええネタはないんか」と刑事が脅迫する。
放火。「赤犬」ということもある。【語源】炎が燃えさかっているのが馬や犬にみえることから。
故意に車に接触して、人身事故として通院し、示談金や慰謝料をせしめる。コシャの「当たり屋」は、その場で数万円程度を受け取り、「警察に言うのは辛抱したる」。