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依頼人とのコミュニケーションを円滑にするための刑事弁護必修用語集
「検調」に行くとき、「集中」でないときは、1人だけ普通乗用車で護送する。大阪府警の場合、捜査担当の刑事は護送しないことになっている。護送途中、被疑者に対し、「こう検事に供述しろ」とか吹き込まないようにしているとの言い訳である。したがって、留置管理係や総務課の者が護送する。車輌と運転手は刑事課の別の係の刑事が出し、運転する。
おとり捜査に似た手法。泳がせて、違法薬物などを届けるのを見て逮捕する。「クリーンなんとかいって、ややこしい違法捜査でパクられました」。
刑訴法にある用語ではないのに、裁判官や研究者までがよく使う言葉。正しくは「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由」(刑訴法81条、89条など)である。「オソレ」では一般的抽象的な心配を意味してしまいがちで、この語感に影響されてか、実務上も知らず知らずのうちに裁判官の主観で運用されてしまうことがあるので、要注意。少し長いが、「疑うに足りる相当な理由」(略して「相当理由」)と言うべき。
法的根拠なく「罪状認否」という用語がよく使われている。マスコミ用語としてはともかく、一部裁判官、研究者までが使う。起訴状の朗読後、裁判長は被告人及び弁護人に対し、「被告事件について陳述する機会」を与えなければならない(刑訴法291条3項)。これは、被告事件について陳述する権利を定めたものである。「罪状」といった用語は死語とするべき。
客観的に裏付けできる証拠。「ちょっと支えが弱いなぁ」と刑事が呟く。「足(あし)」ということがある。
ヤクザ関係の情報。刑事は、担当する被疑者の資料を必ず読む。これを活用し、「義理と人情に厚い男らしいな。一目見てわかる。内緒の話やけど、「G資料」にそう書いてある」と巧妙に被疑者を懐柔しながら手の内に入れる。
刑事が被疑者を脅す言葉。「引き当たりの名目で、手錠はめて引き回し、世間の見せ物にしてまうぞ」。
派手なことや義理を果たして自分の名声を上げる。「立派なもんです。男をあげましたな」。「男になる」とも言う。
喧嘩や仕事などで積極的に動き、手柄を立てる。そういう格好良い人物を「男前」という。「お前、ここらへんで男を見せい」。
落ちぶれている。その世界における再起不能者の蔑称。「もうあいつは終わってますわ」。