3月8日

職質

警察官の職務質問のこと（警察官職務執行法２条１項）。覚せい剤など薬物関係の事件の端緒となることが多い。「今、職質にかかってますねん。助けてください」。

3月9日

しょんべん刑

数年程度の軽い懲役刑のこと。【語源】小便している間に終わるくらいの短い刑から。

3月10日

仁義を切る

警察官が他府県に捜査に行ったとき、地元の警察署に挨拶をしに行くこと。関東の警察では「合（あい）つき」ともいう。被疑者に対しても、「わしは……や」と仁義を切る刑事もいる。これもヤクザにかぶれている。

3月11日

親戚筋

警察内の班の関係。これもヤクザにかぶれてこうした呼称を使う。「あの班とうちの班は親戚筋や。そやけどあっちの班とは反目（はんめ）や」。

3月12日

筋（スジ）読み

事件の概略（ストーリー）を刑事が勝手に決める。「見立て」ともいう。「筋読みはこうや。往生せんかい」とこれに沿う供述を迫る。弁護人は刑事がどのような「筋読み」をしているのかを知るために、被疑者とよく接見する必要がある。

3月13日

スジとタマ

事件のスジ（筋）は、主張や証拠の整合性。タマ（珠）は、被告人自身の性格、振るまい。「この件は、スジはええけど、タマが悪いわ」。この逆もある。

3月14日

接禁（せっきん）

接見等禁止決定のこと（刑訴法81条）。「接禁なんか屁でもおまへん。一部解除で潰してください」。慣れた被告人は自分で一部解除を申し立てることもある。解除方法を知らない弁護士は、「お前ほんまに弁護士か」といわれる。

3月15日

早期退職

毎年、警察では早期退職を募集する。応募者には、全員、再就職先を紹介してくれる。「これが警察官の恩恵や。どんなアホでも元オマワリさんで再就職先では大事にしてくれる」。他方、刑務官にはこのような恩恵はない。「刑務官みたいな嫌われ者と我々警察官を一緒にせんとってくれ」。

3月16日

添え書き

供述調書作成の終了時、捜査員が心証を添え書きする。「まかしとけ。深く反省しとると添え書きしたるから、執行猶予や」。このように、被疑者を懐柔する。

3月17日

即時釈放（即釈）

警察官が使う言葉。検察官が勾留請求せずに釈放（刑訴法205条４項）するとき、「即釈や。今回は許したる」とあたかも自分が決定したように恩着せがましく警察官は言う。