5月17日

フルコース

捜査弁護として、熱心な弁護人がとる被疑者のための全ての手続。①逮捕に対する抗議、②勾留請求しないよう検察官への申入れ、③勾留決定しないよう裁判官と面談、④勾留に対する準抗告、⑤接禁等禁止決定が付けば準抗告もしくは一部解除申立、⑥勾留延長に対する準抗告、⑦勾留理由開示公判請求、⑧勾留取消請求、⑨勾留取消請求却下に対する準抗告、⑩勾留場所に対する準抗告……疲れるが、これは熱心弁護の常識。

5月18日

ブレる

動揺する。逆に、動揺せずに落ち着いているのを「ドンとしてる」「ドシッとしてる」とも言う。刑事は、「お前は素直に供述しとるのに、弁護人がくるたびにブレる。弁護士なんか金もうけでやっとるんや。ワシらはお前のためにええ調書を作ったっとる。ブレんとワシらを信用しろ」と被疑者を抱き込む。

5月19日

ブロマイド

手配写真。「これがマル被（被疑者）のブロマイドや」。

5月20日

弁護人連絡

「ワシの弁護人に連絡してくれ」と留置管理係員に頼むと、一応電話連絡してくれる。留守番電話にも「接見に来て下さいと本人が言っています」というくらいは伝言してくれる。但し、それ以上の伝言はしない。

5月21日

ホトケ

死体。殺された被害者。

5月22日

ホンボシ

真犯人。もともと「ホシ」は犯人のこと。

5月23日

本社

警察本部のこと。所轄署は支社。「本社勤務に戻りたいわ」。

5月24日

弁当

執行猶予のこと（刑法25条）。「弁当持ち」が猶予期間を満了させることを「弁当切る」、満了できずに取り消されてしまうことを「弁当食う」という。「先生、弁当切れるように弁護して下さい」「あかん、無理。もうあきらめて弁当食えよ」。

5月25日

弁当持ち

執行猶予中の者のこと。【語源】不明。

5月26日

マイッタする

捜査官に対して、敗北を認める。「証拠をつきつけられて、もうマイッタしました」。