用語三行(みくだ)り半

解説

最高裁の上告棄却決定は、ほとんどの場合において、「上告趣意は、憲法違反、判例違反をいう点を含め、実質は事実誤認の主張であって、刑訴法405条の上告理由に当たらない。よって同法414条、386条1項3号により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する」となっていて、ちょうど「三行半」である。この決定には、3日以内に異議申立てができる(刑訴法428条2項の準用)。この申立てが棄却されたときに判決は確定する。上告中の未決勾留日数は、4カ月間(120日)は算入されない扱いとなっているので、出所がそれだけ遅れる。「上告してもどうせ、三行り半やし、あきらめますわ」。【語源】江戸時代、夫から妻への離縁状は、三行半でよかったことから。

知ってる? KEIBEN用語とは?

 それぞれの業界には、必ずその世界で使われる独特な用語があります。“刑事弁護業界”も例外ではありません。

 下村忠利弁護士が、弁護活動の中で見聞きしたそうした用語を集め、その意味や使用例の解説を付し、『刑事弁護人のための隠語・俗語・実務用語辞典』(現代人文社)として1冊の本にまとめています。

 この〈ふくろう日めくりカレンダー〉(イラスト:田智然)に、そこから精選して一日一語ずつを収録しました。あなたは、この中のどのくらいを知っているでしょうか。どうぞ一日一語をお楽しみください。

刑事弁護人のための隠語・俗語・実務用語辞典
出典:刑事弁護人のための隠語・俗語・実務用語辞典

執筆者プロフィール

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下村忠利(しもむら・ただとし)

1972(昭和47)年、京都大学法学部卒業。1977(昭和52)年、弁護士登録。 日本弁護士連合会刑弁センター副委員長、大阪弁護士会刑事弁護委員会委員長、大阪弁護士会裁判員本部副本部長、刑事弁護フォーラム副代表世話人などを歴任。2004年(平成16年)、日本初の刑事弁護専門事務所「刑事こうせつ法律事務所」を開設。現在、弁護士法人大阪パブリック法律事務所所長。 主な著作:『実務刑事弁護』(三省堂、1991年)、『刑事弁護の技術』(第一法規、1994年)、『刑事手続の最前線』(三省堂、1996年)、『実務体系 現代の刑事弁護 第1巻 弁護人の役割』(第一法規、2013年)などに刑事弁護に関する論考を寄せている。

ふくろうイラストレータープロフィール

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田智然(Jeon Jiyeon)

デザイナー、イラストレータ。ソウル生。2003年、日本大学芸術学部首席卒業 (コミュニケーションデザイン専攻)。 (株)中央通信社デザイン室長を経て、現在、DEN DESIGN LAB 代表。 日本グラフィックデザイナー協会(JAGUDA)会員。グローバルクリーンエア連盟(GACA)会員。 現在までの主な作品:《サントリーホールクラシックポスター》オスロフィルハーモニー管弦楽団/国立パリ管弦楽団/イスラエル フィルハーモニー管弦楽団、《オーチャードホールクラシックコンサートポスター》アルフレッド ハウゼ タンゴオーケストラ等、《NHK》1996年アトランタオリンピック/1998長野冬期オリンピック/1998年World Cup in France/2002FIFAWorldCup/2004 シドニーオリンピック番組ガイドデザイン等、《安田生命 》AMUSE / Y's invitationロゴマーク《明治生命》DIAMOND FIELDロゴマーク などイラストレーション&デザイン等他多数