用語かんもく(完黙)

解説

「完全黙秘」の省略語で「黙秘」(憲法38条1項、刑訴法198条2項、311条1項)を続けること。本来は供述調書に署名・指印をしないだけでなく、一言もしゃべらないことをいうが、現実には雑談に応じて失敗することも多い。また、被疑者の多くは供述調書に署名・指印しないことをもって「完黙」としているが、実際には雑談の中で「ここだけの話でっせ」と喋っている者もいる。弁護人は真の黙秘かどうかを接見の過程で見極めるのが肝心である。捜査員は黙秘者の雑談を「報告書」として書面にする。したがって、雑談にも注意することを弁護人は指導するべき。

知ってる? KEIBEN用語とは?

 それぞれの業界には、必ずその世界で使われる独特な用語があります。“刑事弁護業界”も例外ではありません。

 下村忠利弁護士が、弁護活動の中で見聞きしたそうした用語を集め、その意味や使用例の解説を付し、『刑事弁護人のための隠語・俗語・実務用語辞典』(現代人文社)として1冊の本にまとめています。

 この〈ふくろう日めくりカレンダー〉(イラスト:田智然)に、そこから精選して一日一語ずつを収録しました。あなたは、この中のどのくらいを知っているでしょうか。どうぞ一日一語をお楽しみください。

刑事弁護人のための隠語・俗語・実務用語辞典
出典:刑事弁護人のための隠語・俗語・実務用語辞典

執筆者プロフィール

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下村忠利(しもむら・ただとし)

1972(昭和47)年、京都大学法学部卒業。1977(昭和52)年、弁護士登録。 日本弁護士連合会刑弁センター副委員長、大阪弁護士会刑事弁護委員会委員長、大阪弁護士会裁判員本部副本部長、刑事弁護フォーラム副代表世話人などを歴任。2004年(平成16年)、日本初の刑事弁護専門事務所「刑事こうせつ法律事務所」を開設。現在、弁護士法人大阪パブリック法律事務所所長。 主な著作:『実務刑事弁護』(三省堂、1991年)、『刑事弁護の技術』(第一法規、1994年)、『刑事手続の最前線』(三省堂、1996年)、『実務体系 現代の刑事弁護 第1巻 弁護人の役割』(第一法規、2013年)などに刑事弁護に関する論考を寄せている。

ふくろうイラストレータープロフィール

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田智然(Jeon Jiyeon)

デザイナー、イラストレータ。ソウル生。2003年、日本大学芸術学部首席卒業 (コミュニケーションデザイン専攻)。 (株)中央通信社デザイン室長を経て、現在、DEN DESIGN LAB 代表。 日本グラフィックデザイナー協会(JAGUDA)会員。グローバルクリーンエア連盟(GACA)会員。 現在までの主な作品:《サントリーホールクラシックポスター》オスロフィルハーモニー管弦楽団/国立パリ管弦楽団/イスラエル フィルハーモニー管弦楽団、《オーチャードホールクラシックコンサートポスター》アルフレッド ハウゼ タンゴオーケストラ等、《NHK》1996年アトランタオリンピック/1998長野冬期オリンピック/1998年World Cup in France/2002FIFAWorldCup/2004 シドニーオリンピック番組ガイドデザイン等、《安田生命 》AMUSE / Y's invitationロゴマーク《明治生命》DIAMOND FIELDロゴマーク などイラストレーション&デザイン等他多数