『オアシス・インタビュー』第5回柴田守氏に聞く

性犯罪の量刑の実証研究からみえてくるもの

裁判官や裁判員はどのように量刑を決めているのか


柴田守(しばた・まもる)氏
柴田守(しばた・まもる) 氏(2020年2月1日 現代人文社にて)。

1 量刑の実証研究のきっかけ

—— 柴田先生は、量刑判断の研究をずっとされていると聞いています。まず、その研究を始めたきっかけをお話しください。

柴田 実証研究はもう10年以上になりますが、きっかけは2つあります。指導教授が専修大学名誉教授の岩井宜子先生ですが、専修大学は、伝統的にそうした量刑の実証研究をやってきております。前田俊郎先生、岩井宜子先生、井上大先生、渡邊一弘先生という流れです。私の兄弟子の渡邊一弘先生は、岩井先生と一緒に死刑の判断に関する研究(「死刑・無期懲役の数量化基準――永山判決以降の判例分析」専修大学法学研究所紀要『刑事法の諸問題VI』(2003年)など)をしました。そうした系譜から、この研究に入っていったのが、まず1つです。

 2つ目は、これも10年近く前ですが、ちょうど交通犯罪の法改正の時期で、その量刑に非常に興味を持ちました。例えば、自動車運転過失……

(2020年10月05日公開)


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