2022年1月18日、名古屋地方裁判所(西村修裁判長)は、無罪判決を受けた男性が警察の保管する本人の顔写真、指掌紋、およびDNA型の各データの抹消などを求めた訴訟で、人格権に基づいてその抹消を認める判断をした。この種の訴訟では、これまで7件あったが、すべて国が勝訴している。その意味でも、今回の原告勝訴は画期的なものである。
当事者の奥田恭正さんとその弁護団に、発端となった刑事事件(無罪)とこの抹消請求訴訟について聞いた。
1 DNA型データ等抹消請求訴訟までの経過
—— この抹消訴訟の「前史」は、奥田さんに対する刑事事件です。低層住宅が建ち並ぶ地域に15階建高層マンションの建設計画が持ち上がって、その反対運動を奥田さんら近隣住民が起こした。その住民運動の中で起こった奥田さんに……
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(2022年11月10日公開)