( 注:本稿では、示談金・被害弁償金を一括して「示談金」といいます )
【解説1】 示談金は、できる限り、第三者から被疑者・被告人に交付してもらい、弁護人は被疑者・被告人から預かるようにしましょう。
弁護人が第三者から直接示談金を預かること自体に職務上の問題があるわけではありません。しかし、弁護人が第三者から示談金を直接預かることは、弁護人と被疑者・被告人または第三者との間の無用なトラブルを招きかねないという側面があることも否定し難いため、気をつける必要があります。
というのは、示談金の原資(以下、便宜上「資金」ということがあります)に関する被疑者・被告人と当該第三者との間の法律関係(法的性質)は、贈与や消費貸借など、事案によって様々な可能性があるからです。
注意すべきは、その法律関係がどのようなものであるかによって、もし示談や損害賠償を行わなかったり余剰金が出たりした等の場合には、当該資金ないし余剰金の返還先が変わってくるということです。
たとえば、示談金の資金が贈与された場合には、示談や損害賠償を行わなかったときでも、その資金を第三者に返還する必要はありません。これに対して、もしその資金が単純に貸与(金銭消費貸借)されただけであった場合には、いつかはその資金を第三者に返還すべきこととなり得ます。
このような法的性質は、
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(2022年06月10日公開)