執筆者:村岡美奈 監修者:藤田正隆

【第7回】押収されたお金、預金通帳を取り戻したい


●警察署の接見室にて

弁護人「初めまして! 本日逮捕ですか?」

被疑者 「はい、初めての逮捕なんで、いろいろ不安で」

弁護人「逮捕のときに、ガサってありましたか?」

被疑者「ガサ? 捜索令状もって、家捜しされたのはありました。会社と自宅に、警察がたくさん来ました」

弁護人「ガサというは、「捜す」の「サガ」の倒語で、業界用語((注 下村忠利『刑事弁護人のための隠語・俗語・実務用語辞典』(現代人文社、2016年)参照))ですけど、捜索差押手続のことです。捜索令状のことをフダとかガサ状といってます。なにか、押収、つまり持っていかれたものはありますか」

被疑者「結構あったと思いますけど、具体的には分からないです」

弁護人「押収品目録交付書(おうしゅうひんもくろくこうふしょ)はもらっていますよね」

被疑者「あー、品目が書いてある一覧表ですね。会社の捜索の後に、もらって、留置にあります」

弁護人「なるほど。それを見れば、何を証拠として捜査をしようとしてるのかわかりますので、いま、持ってきてくれませんか」

被疑者「はい、……(留置管理の人に、接見室まで持ってきてもらい、アクリル板越しに見せてもらう)……これです」

弁護人「なるほど。結構ありますね」

被疑者「会社の預金通帳など、すぐに必要なものもあるし、私の奥さんのパスポートもビザの更新で必要なんですけど、すぐに返してもらえますか」

(2022年01月21日公開)


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