4 第一次再審の即時抗告審
⑴ 即時抗告審でも、T供述の信用性が争われた。
ア もともと、確定審では、1992年３月９日付員面が、T証人の目撃体験に一番近い供述とされてきた。
ところが、再審における証拠開示によって、その員面を作成した大坪警察官自身が、員面作成の二日前の３月７日に久間さんの車を下見に行ったうえで、取調べに臨んでいた事実が明らかとなった。
イ この点について、福岡地裁の請求棄却決定は、「３月７日より前の３月４日の捜査報告書には、『後タイヤはW』という記載がある。この記載は３月７日の下見の影響を受けていない。したがって、T証人が後輪Wタイヤの車を目撃したこと自体は信用でき、T証言は有罪の証拠になる」として、Ｗタイヤを目撃したという供述は、誘導されたものではないとしていた。
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（2024年12月06日公開)