3 静岡県警の「ねつ造」史
表にあるように、静岡県では数々の冤罪の歴史がある。いずれも殺人事件で、袴田事件を含めて5件を数えることができる。そのうち幸浦(さちうら)、二俣(ふたまた)の両事件は一審が死刑判決で後に無罪となり、島田事件と袴田事件は死刑が確定した後に再審で無罪とされた。これだけ多くの冤罪事件を生み出している県は他にないといっていい。人口比からいっても異常な数である。それらの冤罪原因が捜査、とりわけ取調べにあることはいくら強調してもしすぎではないだろう。木谷明著『違法捜査と冤罪』(日本評論社、2021年)には28件の事例が実例として収録されているが、そのうち袴田事件を除く4件が収録されている。実に7分の1を占めている。
表 静岡五大冤罪事件年表
袴田事件以外の各事件の概要は次のとおりである。
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(2024年11月22日公開)