みなさま、こんにちは! 齋藤鑑識証明研究所の齋藤健吾です。
前回までは「筆跡鑑定の証拠能力はどれくらいあるのか?」や「証明力が高い筆跡鑑定とは?」をお伝えしてきましたが、今回は良い鑑定書を作るために、どのような資料が必要なのかをお伝えしたいと思います。
1 筆跡鑑定に必要なもの良い鑑定書とは、鑑定結果に至るまでの根拠が明白で説得力のあるものです。これらが備わっていれば、鑑定結果(筆跡が本物か偽物かなど)が社会的に認められ、それを前提に話が前に進みます。
また、筆跡鑑定を実施するためには、文字の書かれた資料が不可欠です。この資料の質と量によって、鑑定書の善し悪しにかなり影響が出るのです。
2 鑑定資料と対照資料筆跡鑑定に必ず必要な資料として、鑑定資料と対照資料があります。
・鑑定資料:だれが書いたかを判明したい文字が書かれた資料。
例)Aさんの署名が書かれているが、他人によって書かれた疑いのある契約書
・対照資料:書いた人が特定された文字の書いてある資料。鑑定資料と照らし合わせることで、鑑定資料の筆記者が特定できる。
例)Aさんの署名を偽造したのではないかと疑いを持たれている人が書いた資料
これら資料の量と質は、筆跡鑑定にとってかなり重要なものであり、出来上がる鑑定書の証明力に大きな差がでます。
また、筆跡鑑定は基本的に鑑定資料と対照資料の文字を比較して、筆記者を識別しますが、その際に比較する文字は、同一種類の文字同士を使用します。例えば、鑑定資料に「齋」という文字が書かれ、対照資……
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(2024年09月26日公開)